○[wanet]ML(東海地方のNPOをつなぐML)宛に流れた内田からの第一報(2000.9.14) Subject: [wanet:03908] NAGOYA FLOOD BUSTERS From: Uchida takashi To: wanet@tunagu.gr.jp Date: Thu, 14 Sep 2000 02:40:26 +0900 内田@名古屋大 です。 私は名古屋東部(昭和区)の高台にすんでいたので今回の水害の被害は ありませんでしたが、ニュースを見ているうちにいてもたっても いられなくなり、ボランティアをするため新たに団体をたち上げました。 「名古屋水害バスターズ」です。 3年前の日本海重油災害の時、名古屋からボランティアを乗せて福井県の 重油回収現場にボランティアをバスで連れていく「名古屋オイルバスターズ」 の代表をしており、今回も何かできればいいと思った次第です。 連絡先は、メール uchida@mbox.media.nagoya-u.ac.jp か私の携帯 090-1981-1337 でよろしくお願いいたします。 ホームページhttp://tunagu.gr.jp/nsbusters/ この15-17の連休中、どなたか西枇杷島町付近等で ボランティアしてみたい人はいないでしょうか。(宿泊場所は各自で) また、今後1週間ずっとボランティアしていただけるかたがいたら、 ぜひ「コーディネーター」になっていただきたく思います。 いずれにせよ、連絡下さい。何かと仕事はあります。 14日16時にボランティア本部が正式に立ち上がるので、 今後はそちらの情報も注目して下さい。 今後も現場の声を発信していきたいと思います。 平成12年9月14日 午前0時30分現在、名鉄は全線で復旧したと ホームページにありました。http://www.meitetsu.co.jp/ 名鉄西枇杷島駅から歩いて5分くらいの所に西枇杷島小学校があります。 そちら付近を中心に私は支援していきたいと思います。 -- 13日(火)は、愛知県広域ボランティア支援本部立ち上げ準備会が 愛知県庁内の一室で開かれていることを聞き、県庁に向かいました。 県の消防防災課、名古屋市の地域振興課、県の社会福祉協議会、 YWCA,YMCA,震災から学ぶボランティアネットの会などが合同で ボランティア支援本部を県庁2Fの第5会議室に置く準備をしていました。 ボランティアコーディネーターが続々と県庁に集まってくる中、 あまり現場をコーディネーターがまだ見ていない、ということで、 現場の写真を撮りつつ、今後のボランティアのニーズを探ってくるように いわれて西枇杷島町まで自転車で行きました。 愛知県庁から庄内川を越えるところまでは自転車で20分ほどしか離れておらず、 庄内川の手前までは普通の生活をしていました。 しかし、庄内川を越え、西枇杷島町に入るやいなや、茶色い水が道路を おおっており、とても長ズボン、スニーカーではいけないと判断し、 サンダルと半ズボン型水着を調達して現場に向かいました。 名鉄西枇杷島駅は線路が水で埋まっており、海水浴用のボートをかついで 名古屋市側に物資の調達に向かう家族連れとすれ違いながら、 茶色い水をかき分けながら避難所に向かいました。 一番近い避難所は西枇杷島小学校でした。校庭には避難してくるときに 使われたのか、数十台の自家用車が泥水をかぶった跡があり、 ボンネットを開いて置いてありました。(よくヘリから写っていた場所です) 小学校の2階と3階で避難している人がいて、まさに着の身着のままで 教室、廊下などにいました。高齢者が特に目立ちました。 小学校には地元の町内会の役員を行っている人達がリーダーとなり 物資の配給の指示をしていました。 少数ながらボランティアをしている人(地元、名古屋市からなど)がいて、 一緒にボランティアをしてみました。 2リットルのペットボトルの水とお茶を配る作業で、4人に1本か2本 位の割合で分けていきました。 ただ、「明日から同じように物資が来るとは限らないので、節約して飲んでくれ」 といいながらわたしていました。 一通り渡し終えた後、現在の避難所の様子、各家の様子などを聞きました。 13日14時現在、西枇杷島小学校周辺は電気・ガス・水道・電話は復旧していない。 トイレは流れないが無理矢理しているとのこと。 12日は乾パン1個を配給したが、今日13日は食糧・水とも皆に配給できたと いうこと。庄内川を越えれば名古屋市で、歩いて10分もすればコンビニなども あり、足りなくなったら物資・食糧等を各自が買ってくるということ。 急激に泥水が引いており、家に様子を見に帰る人が多いこと。 帰ってくると「どうしよう、1階は全部水でやられている」 と半べそをかいていること。 その他、お風呂に入りたい、下着を代えたい、という切実なニーズもありました。 電気がないのでテレビもつかず、電話もつながらない(携帯はほぼ復旧)ので 情報的に孤立しているということ。(県とも町ともあまり連絡はいっていない) 携帯を持ってきたが、一旦充電器を取りに家に帰り、「電気が来てなかった」と いって、電池がきれるまでしか話せないこと。 親戚や知り合いの家に避難している人も結構いること。 また、私の感想としては、上空をヘリが何機も飛んでいてうるさい、 犬を連れてきた人がいて吠えかかる、テレビ局がカメラを持ち込んで、 各避難者に取材している、などがあります。 西枇杷島小学校で12日、13日とボランティアしていた、名古屋市中村区の 人と知り合いになり、周辺を写真撮影しに歩くことになりました。 その人は12日はずっとボートを引くボランティアをしており、 (避難者は着替えがないから水に濡れないようにしている) 顔中日焼けしていました。 ガソリンスタンドの前では、廃油みたいな黒い液体が道路の水の表面を おおっていました。 決壊した新川にたどり着き、堤防が切れた現場へ向かいました。 西枇杷島町のすぐ北側、新川の少し上流の名古屋市西区あし原町付近に来ると、 自衛隊が土嚢を積む作業をしており、仮復旧は終わっていました。 新川の水位は低くなっており、ポンプで西区や枇杷島町側から 新川に排水していました。 決壊地点の水の勢いは激しかったようで、4トントラックが横転しており、車が 3台積み重なっているところもありました。 水の跡がだいたい160センチくらい来ていたり、道路に大量の土砂が たまっていたり(多いところでだいたい50センチくらいか?) たんぼに車がはまっていたりしていました。 茶色い泥水は中が良くみえず、歩くときかなり不安になります。 さらに、膝まである水をかき分けて歩くのは結構体力がいり、 道に沿って歩かないとどぶにはまり、腰上まで水に浸かってしまいました。 (道の所で、一番深いところは股下くらいですか。) 小学校に戻り、夕食が届いていたのでそれを配るボランティアをしていました。 ただ、各方面にあまり連絡がうまく取れていないらしく、 おにぎりが手作りのもあれば商品としてきちんとくるまれているもの、 さらにおにぎりを配られてから牛丼がかなりの数来て、 「おにぎりの前に牛丼配ってくれ」との抗議が来たりもしていました。 また、水が相当引いており、自宅の2階で生活するために 家に帰り、避難所にいない人もかなりいました。 現在避難所に何人いるのか、今後の物資の配給予定など、 よく分からないことだらけです。 名古屋に戻る途中、水が引いた家の復旧作業を見学しました。 1階部分が水に浸かっており、洋服や家電製品などを外に出してゴミ袋に 入れるものは入れたり、畳を上げたり、廊下にたまった泥を水で 洗い流したりしていました。 名古屋市に戻り、すぐに写真を現像し、県庁に持っていって午後7時 くらいから現場の状況を説明しました。小学校でボランティアしていた 前述の彼も現場(西枇杷島町)をよく知っているということで 呼んできました。 彼がいうには、水は14日中にはだいたい引くとのこと。 今後のボランティアの需要として、 ・特に一人暮らし老人宅の清掃 ・道路に放置してある車の路肩への移動 だけでも大変労力がいるものです。 その他、 ・食糧配給の調節、・下着、おむつ(大人用、子供用)の確保 ・洗面道具一式・乾電池・洗浄道具一式・ラジオ ・風呂屋、コインランドリー一覧表 ・マッサージボランティア・避難場所のゴミ分別&処理 ・リアカー調達・部屋分け表の作成・公共地の掃除・ご用聞き などきめ細やかな支援があげられました。 ボランティア本部では、名古屋市に2カ所、愛知県内に数カ所の 地域ボランティア支援本部を開く準備をしています。 正式記者会見は14日16時の予定です。 詳しくは、今後のボランティア本部の情報や、 ボランティア本部(愛知県庁2F第5会議室)  052-961-2111 内線5980〜5983 に直接お問い合わせ下さい。 自転車が重宝されます。数十台単位で借りられないものでしょうか。 あればボランティア本部に連絡下さい。 ボランティアのニーズや物資の必要性は日々刻々と変わります。 その他詳しいことは、正式記者会見と、その後立ち上がる 地域ボランティア支援本部にお問い合わせ下さい。 ボランティアの服装なんですが、よく分かりません。 水がもうすぐ引くので、汚れてもいい格好でいいと思いますが、 水の中、ボートを引く係もいると思います。 その方は、水中に何が落ちているか分からないので長ズボンと スニーカーで、ずぶぬれ覚悟というのが、着替えがある方はいいですし、 責任を自分でとるならば短パンとサンダルでいいと思います。 ボランティア保険は各ボランティアが一人300円(標準)を負担することで 入れるという話に13日の夜はなっていました。 詳しい話はボランティア本部にお問い合わせ下さい。 #ボランティア本部は県庁内にあり、名目上の活動時間は朝10時から #夕方5時までです。 名古屋市の状況ですが、庄内川の東側は本当に平常通りです。 学校・会社もやっています。コンビニも営業しています。 #弁当工場・パン工場が水没して品数は減ってはいますが。 #12日午後はコンビニバイトでした。食糧が全て売り切れました。 特に西枇杷島町周辺と、名古屋市の東南部の天白川流域、名古屋市南区、 大府市など一部を除いて平常通り、という感じが非常に強いです。 身の回りにも「あの人、床上浸水したみたいよ。」とか、 「11日(集中豪雨があった日)名古屋駅で一晩過ごした」 という人は多いのですが、現在はなにもなかったような顔を一見しています。 ただ、今回の被害の範囲はかなり広く、全国各地の最近の水害場所で ボランティアしてきた人も、「今回の名古屋の範囲はこれまでより広すぎる」 と言っています。 12日までは「人命救助活動などが優先されますので、ボランティア・ 物資の募集はしません。」とボランティア本部もいっていましたが、 大々的にボランティアを募集する必要が出てきました。 ぜひ協力していただきたく思います。 今後もボランティア本部・地域ボランティア支援本部と連携し、 きめ細かい支援を展開していきたいと思います。 名古屋大学大学院経済学研究科博士前期課程2年 内田 隆 uchida@mbox.media.nagoya-u.ac.jp 携帯090-1981-1337 (i-mode) uttiy_t@docomo.ne.jp 名古屋水害バスターズ http://tunagu.gr.jp/nsbusters/